NEWS No.80（2023年度）
権平智准教授（獣医学類）が日本家畜衛生学会第98回大会でフロアー賞を受賞しました。

＜受賞演題＞

「マイコプラズマ性乳房炎に対する迅速検査技術の検討」

＜研究概要＞

乳房炎は酪農業において最も経済的損失の大きい感染症であり、ウシのマイコプラズマ性乳房炎は激しい臨床症状となり動物福祉の観点からも問題となっています。
マイコプラズマ性乳房炎が発生した場合、その制御には迅速な検査による摘発が重要であるが、現在利用されているPCRを利用したマイコプラズマの検出は判定までに数日間の日数を要します。
検査当日に結果が判明する迅速検査技術の確立が求められており、本研究では、リアルタイム PCR法を利用した検査システムの検討を試みました。
リアルタイム PCR法では死菌が含まれているなど検出が難しい検体からよりマイコプラズマを検出することが可能であることが示され、その検出感度は従来法より高いことが示唆されました。
マイコプラズマ性乳房炎の制御において、臨床症状を呈するウシのスクリーニング検査など即日に検査結果を把握したい場合において本法は有効であると考えられました。

＜受賞コメント＞

フロアー賞ということで、当日の学会参加者からプレゼンが評価されて大変嬉しく思っております。
今後も現場で問題となっている課題を解決できるような研究を展開していきたいと思います。

＜所属する獣医衛生学ユニット：樋口教授からのコメント＞

マイコプラズマの検出技術については諸外国でも様々な研究がありますが、操作や費用等から多くの課題がありました。本研究は、社会実装性の高い検査系の確立を目指し、その第一歩となる研究として評価できるものと思います。