教員・研究室情報
| 取得学位 |
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| 研究室・ユニット名 | 伴侶動物外科学 |
| 研究テーマ | 運動器・循環器疾患の診断・治療に関する研究 |
| 研究キーワード |
脳
脊髄
循環器
整形外科
消化器
腫瘍
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| 教育・研究への取り組み |
私の研究テーマは伴侶動物の様々な疾患に適応できる再生医療を取り入れた治療法の開発です。動物の治療のための移植だけでなく、治療薬の開発で動物実験を代替できるような生体環境を模した人工臓器製作の研究を行っています。 |
受験生へのメッセージ
動物の治療に限らず、新薬の開発、医工学など獣医師が活躍できる分野は日々広くなっています。
自分の心地いい場所から一歩踏み出し、レベルアップしてみませんか。動物が好きだからこそできる様々な研究を一緒に探検しましょう。
研究シーズ
| 研究キーワード |
配向コラーゲンシート血管構造を持つ3次元培養組織の開発再生医療
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| 研究テーマ | 配向コラーゲンシートを用いた血管構造を持つ3次元培養組織の移植による心臓又は骨の再生医療 |
| 研究の概要・特徴 |
コラーゲンは生体適合性が高く生物分解性の素材であるが、機械的強度が低いことから、実際の移植材料として用いることが難しい。しかし、配向コラーゲンシート上で生体と類似した細胞の配向を誘導することで、細胞シートの強度を上げることが可能である。コラーゲンはフィブリンのような他の細胞外マトリックスと違い体外で配向させるのは難しいと知られている。今まで、コラーゲンを配向するために流れを起こすマイクロ流路、微細構造作製のためのフォトリソグラフィなどが必要だった。この方法では数十マイクロメートルの幅にコラーゲンの配向が限定されるまたは大型装置が必要となる。私は先行研究で、配向に必要な3つの要因である伸縮の周波数と振幅、時間の変化によりコラーゲン配列への影響があることを示した。この方法は非常に単純な方法で広範囲にわたってコラーゲン繊維を配向できる手法である。さらに、周期的伸縮運動により作製されたコラーゲンシート上で物理刺激なしで骨格筋細胞と角膜実質細胞を培養すると、コラーゲン繊維の方向に細胞が配向することを示した。配向コラーゲンシート上で培養した細胞は、細胞の配向によりコラーゲン産生が増加するなど細胞の活性化を示した。さらに、平面だけでなく、3次元の半円柱の基盤上のコラーゲンシートのナノファイバの配向が可能であることを示した。このようなコラーゲン繊維の円周方向の配向は血管のコラーゲン構造と類似している。このような先行研究をもとに、配向コラーゲンシート上で血管細胞と心筋細胞又は骨細胞を用いて培養細胞シートを作製する。シートを積層化することで、血管構造を持つ3次元培養組織の作製が可能になる。3次元培養心筋組織は虚血性心疾患を、3次元培養骨組織は難治性骨折患者を対象としている。このような3次元培養組織を移植することで、心臓と骨の再生医療を実現させる。 |
| 産業界等への アピールポイント (用途・応用例等) |
虚血性心疾患は、日本では癌の次に死亡率が高い疾患とし、年々心不全の患者数は増加傾向にある。標準的な治療法で心臓機能を維持できない場合に心臓移植が適応される。しかし、脳死ドナーから提供される臓器提供数は心臓移植の待機人数に対して圧倒的に少ない状況が続いている。従って、心臓血管疾患の再生医療において、生体組織を代替できる移植用の心筋組織の開発が求められている。 |
| SDGs |
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