NEWS NO.45(2021年度)
本学大学院生の片岡妃奈さんが
「第77回北海道家畜人工授精技術研修大会」で奨励賞を受賞
第77回北海道家畜人工授精技術研修大会において、本学大学院酪農学研究科修士課程2年生(家畜繁殖学)片岡妃奈さんが発表した「黒毛和種における300日以上の妊娠日数が母子に与える影響」が、奨励賞を受賞しました。
本研修大会は、北海道家畜人工授精師協会が家畜人工授精技術の技術向上を目的として、毎年開催している歴史の長い研修会で、今年度も昨年度に続き、新型コロナウイルス感染拡大防止のため10月15日と16日にオンライン開催となりました。道内で牛の人工授精および受精卵移植業務に従事している家畜人工授精師と獣医師が参加し、日頃の業務の中で実施した調査・研究の成果が発表されます。この中から優秀発表者3名が選出され、2022年2月に開催する全国大会に出場します。このほかに学生の発表も行われ、1名に奨励賞が授与されます。
<受賞演題>
「黒毛和種における300日以上の妊娠日数が母子に与える影響」
〇片岡 妃奈さん、西寒水 将講師、今井 敬教授、堂地 修教授
<研究概要>
フィールド教育研究センター肉畜生産ステーション肉牛農場の黒毛和種の分娩記録を用いて、黒毛和種の妊娠日数の実態を明らかにすること、長い妊娠日数が分娩と産子の正常性に及ぼす影響を明らかにすることを目的として発表しました。
黒毛和種の妊娠日数は平均285日とされてきましたが、近年、平均290日にのびていることが報告されています。妊娠日数が長くなった理由については分かっていませんが、育種改良による体格の大型などが影響していると考えられます。また、中には妊娠日数が300日を超える牛もおり、妊娠日数が300日を超えて長期化すると胎子が大きくなり難産の可能性が高くなるため、母親と子牛の健康に影響することが心配されます。片岡さんは、妊娠日数と生時体重には正の関係がみられたが、300日を超える妊娠日数が母牛の後産排出や産子の正常性に与える影響は認められなかったことを報告しました。この結果は、黒毛和種における妊娠日数の実態、分娩管理、および今後の妊娠日数長期化に関する研究に貴重な情報であることが評価されました。
片岡 妃奈さんのコメント
(酪農学園大学附属とわの森三愛高等学校出身)
発表に用いた分娩データは、2011年から現在までのゼミ生が夜中でも早朝でも分娩観察を行い、分娩が始まれば農場に駆けつけ後産の排出まで立ち会うことで得られた貴重な記録です。
今回の受賞は堂地先生をはじめ、今井先生、西寒水先生のご指導と歴代の諸先輩方の努力のおかげだと、本当に感謝しています。肉牛農場設立から毎日肉牛の管理を行い、収集したデータの積み重ねが実を結んだと思うと本当に嬉しいです。これからも肉牛の実態を明らかにし、実際の生産現場にいる農家の支えとなるような研究に努めていきたいと思っています。
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